口腔ケア
口腔ケア

全介助の口腔ケア
安全で安楽な姿勢で、誤嚥に細心の注意をはらいましょう。

1.口腔ケアの準備と姿勢

準備を整えてから…
  • 疲れないように手早く行うために、事前の準備をすべて整えてから始める。
  • 唾液などで衣服が汚れないように、横になっている場合はタオルなどを肩の下から口元に当てる。
誤嚥防止のための姿勢…
  • 座位がとれない場合、30度から45度の角度で起すと疲れにくく誤嚥を防ぎやすい。
  • ずり落ちないように枕や毛布などで体の安定を確保する。
  • 麻痺や意識障害があって起こせない場合は、体ごと横に向け(側臥位)、誤嚥を防ぐ。
  • 側臥位も無理な場合は、頸部を患側に向けて咽頭部を狭くして誤嚥を防ぐ。

ONE POINT!
片麻痺の場合に側臥位では、健側と麻痺側どちらが上?
■健側が上の利点
・本人が歯みがきできる場合、健側の上肢を動かしやすい。
■麻痺側が上の利点
・歯みがきの泡立による、誤嚥の危険が少なくなる。
・自然な排唾を促し吸引を併用しやすい。口腔ケア中に唾液や汚水が流出し、寝具を汚しにくい。

2.口腔ケアの実際

●歯みがき
細菌のかたまりである歯垢は、うがいや清拭だけでは取り切れない。

開口しにくい場合
脱感作で筋緊張を取り除く。できる部分から徐々に全体へ。(歯肉や粘膜を傷つけないように観察しながら実施)
歯垢量が多い場合
歯ブラシについた歯垢はコッフの水で洗いながらみがく。
(誤嚥しないように余分な水をガーゼで取り除きながらみがく)
炎症がひどい場合
極めて柔らかい歯ブラシで撫でるようにみがく。(介助者に出血部位に対する説明をする)
片麻痺の場合
麻痺側は感覚の低下によって食物残渣が溜まりやすい。(介助用の小さい歯ブラシで奥から手前にみがく)

●うがい(含漱)
うがい(含漱)は歯みがきの補助だけではなく口腔周囲の筋肉のリハビリにもなる。

【安全なうがいを行うために】
●自分でうがいができる場合=洗口   ●自分でうがいができない場合=洗浄
  1. 水のみやストローの先端を口角から入れ、うがい水を静かに含ませる。(誤嚥を防ぐために1回20〜30ml)
  2. できるだけ口腔全体に行きわたるようすすがせる。
  3. ガーグルベースンを頬に密着させ、水を出させる。
  4. 一回ごとに頬をタオルで拭いて、数回繰りかえす。
  5. うがいの後は咳払いを2〜3回させて咽頭部の残留水を除去し、むせや誤嚥を防止する。
  1. 顔を手前に向けガーグルベースンを頬に当てる。
  2. 吸引器のカテーテルを口腔内下の臼後三角付近へ挿入する。
  3. 注射筒などに15〜20ccのぬるま湯を入れ口腔内に行きわたらせ、柔らかい小さな歯ブラシなどで洗い流す。

注意1)吸引を併用して誤嚥がないように注意する。
注意2)嚥下障害や意識障害が強く、気道確保ができない場合は実施しない。

ONE POINT!
口腔周囲筋のリハビリ

水を少なめに含み、全体に行きわたるように、左右、前後と頬を動かしてうがいをします。これによって、口腔周囲筋群の運動訓練が行えます。誤嚥の心配がある場合は、水を含まないで実施しましょう。

●口腔清拭
口腔内に創がある場合や洗口ができない場合の歯みがきの後に、巻綿子やガーゼで口の中を拭き取る。

清拭の方法

  1. 左図の矢印の方向へガーゼなどで除去していく。(誤嚥を防ぐために奥から前へ清拭する)
  2. 舌や口蓋も清拭することにより清涼感が増して口臭予防に役立つ。
  3. 清拭液はデンタルリンス(液体ハミガキ)を使用すると爽快感が得られる。
     その他、イソジンガーグル液やお茶なども効果的。

注)清拭だけでは歯垢の除去は十分とはいえない。可能な限り歯みがきをすることが望ましい。

ONE POINT!
誤飲した場合はどうする?

誤飲して咳が止まらず息苦しそうなときは、深呼吸したり背中をさすったりしてあげましょう。また、温かい飲み物を少量飲むのも効果的です。

資料提供:ライオン歯科材株式会社/(財)ライオン歯科衛生研究所


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